悪いところばかり見つめていると、それを勢いづかせることになってしまいます。ありふれたことにも光を当て、無視しないで、数の中に入れて感謝しましょう。
私たちは、とかく所有していると、それを無視したり軽視したりしがちです。自分が持っているものを大切にする人は、他人が持っているもののことで心を乱したり、悩ませたりはしません。
人生、思い通りにいかないのが世の習い、そんな場合には、自分が思いどおりにできること、たとえば、話す、黙る、外出する、在宅する、食べる、寝る等々、日常の卑近なことについて、もしこれができなかったらと想像すると、できて有難いと気持ちが明るくなります。
何かが失われたからといって、失われたものを残念がるばかりで、失われずに済んだものを喜ばないというのは、賢者のすることではありません。現に今、手もとにあるものを最大限に気持ちよく活用する人こそが、暮らし上手というものです。